ウミウシは食べた生物の特性を引き継ぐ!?実はすごいウミウシのすべて。
ウミウシは、食べた生物の特性を引き継ぐことができます。
そんなゲームの世界みたいな話、ある訳ないと思ったそこのあなた。
これ、ほんとの話なんです。
ウミウシの生態
ウミウシの生態
ウミウシは、ナマコのような柔らかい体をしていますが、実は巻貝の仲間です。
はるか昔には、巻貝のように殻を持っていたとされていますが、その殻が退化して現在の姿となっています。
動きはゆっくりとしていて、身を守る殻もないウミウシは弱肉強食の海では、格好の餌食にされそうですが、擬態したり、体色を毒々しく見せることで外敵から身を守っています。
大きさや産卵
体長:約5cm
基本的には5cm程度の個体が多いですが、種類によっては20cmになるウミウシもいます。
20cmのウミウシは海で見かけるとびっくりしそうですよね。
また、ウミウシは春から夏の初めに産卵します。
ウミウシは雌雄同体なので、オスメス関係なく。同じ種類が出会うことで繁殖を行うことができます。
名前の由来
ウミウシってなんでウミウシと呼ばれているか知っていますか?
その由来は、ウミウシには特徴的な2本の角のような触角があります。
この触覚が牛の角に似ていることから、海の牛でウミウシと呼ばれるようになったそうです。
生息地と種類
ウミウシは世界中のどこにでも生息しています。
そして驚くべきは、その種類の多さ。
ウミウシの種類は3000種類を超え、日本ではその内、約500種類が生息しています。
食べた生物の特性を引き継ぐ
毒を食べて毒の能力を手に入れる
ウミウシは綺麗で鮮やかな色をしています。
そのカラフルな体色から少しずつ人気が出てきており、最近では写真集まで販売されている状態です。
ただ、海で鮮やかな色といえば、毒を持っていることが多いです。ウミウシも例外ではありません。
しかし、ウミウシは毒を持って生まれてくる訳ではありません。
ではどうやって、ウミウシは毒を手に入れるのでしょう?
その答えは、ウミウシは食べた生物の特性を引き継ぐことができるという点で説明ができます。
ウミウシはクラゲなどの刺胞動物を食べ、刺胞動物が持っている毒を、消化せずに体に取り込みます。
その取り込んだ毒を使い、自身の身を守っているという訳です。
他の生物の特性を自分の物にしてしまうって、ゲームの世界みたいでワクワクしますよね。
なお、以上のことからウミウシは毒を持っているため、素手では触らないよう気をつけましょう。
葉緑体を食べて葉緑体を手に入れる
ウミウシは毒を体に取り込むのと同じ要領で、海藻から葉緑体を取り込むこともできます。
ウミウシは海藻を食べる時、ただがむしゃらに食べている訳ではなく、海藻の細胞に穴をあけ、細胞の中にある細胞質と呼ばれるものを吸い込んで食べています。
吸い込んで食べるため、葉緑体がボロボロにならず、綺麗な状態のまま体内に取り込むことができます。
もちろん、取り込んだ葉緑体は数ヵ月の間、葉緑体としての機能を全うし、エネルギーをつくり続けます。
そのエネルギーは宿主であるウミウシのものとなります。すごいような少しこわいような。
飼育は可能?
自宅で飼育する
無理ではありませんが、かなりの労力と手間がかかります。
その理由は、ウミウシは各個体によって、エサの好みが異なるため、安定して飼育することが難しいからです。
飼育しない水族館も
ウミウシを見たい方にとって一番手っ取り早いのは、水族館に行くことではないかなと思います。
ただ、水族館であっても、上記と同じ理由で飼育することが難しいため、常時飼育している水族館は多くありません。
下調べをして、常時展示をしている水族館に行きましょう。
まとめ:実はすごいウミウシの生態
いかがでしたか。食べた生物の特性を引き継ぐなんて、すごい能力の持ち主であることが分かっていただけたかと思います。あなたも一度は生のウミウシを見てみてはいかがですか?それでは。
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