リュウグウノツカイがなぜ浅瀬で目撃されるのか?
たまーーーに、「リュウグウノツカイが砂浜で目撃されました!」「リュウグウノツカイが漁港内で泳いでいる姿の撮影に成功しました!」といったニュースを耳にするかと思います。
なぜ、本来深海にいるはずのリュウグウノツカイが浅瀬にいるのでしょう。
今回はそんな謎を紐解いていきたいと思います。
リュウグウノツカイは浅瀬に来たくて来ている訳ではない?
湧昇流に乗って浅瀬に
リュウグウノツカイがよく目撃されるポイントとして有名なのが『駿河湾』です。
駿河湾は、かなり水深が深いです。さらに、ただ深いだけではなく、大陸棚と呼ばれる比較的なだらかな土地がほとんど存在せず、岸の近くから一気に水深が深くなっています。
こういった地形の場所では、水温差や風の影響で『湧昇流』と呼ばれる、深海から表層へ向けて、海水の流れが発生します。
この湧昇流により、栄養塩の豊富な深海の海水が表層まで運ばれるため、プランクトンが大量に発生し、豊かな海を形成するのですが、栄養塩だけでなく、深海に住む魚も一緒に流されてきてしまいます。
その流されてくる生き物の内の一つがリュウグウノツカイというわけです。
リュウグウノツカイについて、現在分かっていること
基本スペック
リュウグウノツカイは、アカマンボウ目リュウグウノツカイ科で水深200~1000mで生活している深海魚です。
生息域は広く、世界各地の広くて深い海であれば大体生息しています。
リュウグウノツカイの体長は、3〜10m、体重は約20Kg〜50Kgの大きな魚です。
そのシルエットは細長く、体色は薄い青色の線が入った銀色で、背ヒレは鮮やかな赤色をしています。
頭の上の辺りにある背ヒレは、たてがみのように長く、神々しいです。
生態
リュウグウノツカイは群れをなさず、単独で行動する魚です。
普段はエビなどの小さな甲殻類を食べて生活しています。身体に似合わず小さい生き物を食べているんですね。
リュウグウノツカイは卵生で、その卵は水に浮く性質を持っており、産まれた稚魚はしばらく海面近くで生活します。そして成長し、ある程度大きくなると、深海に移動します。
深海では多くの時間を縦に直立で静止して過ごしています。移動する時には横向きになり、長い背ビレを使って泳ぎます。
トカゲのように自分の意思で尾を切ることができる
リュウグウノツカイが生活している深海は、基本的にエサとなる生きものが少ないです。
そのため、何日もエサを食べれず、極度の飢餓状態に陥ることが多々あります。
そんな状態になった時、リュウグウノツカイは、自分の意思で自分の尾を切るという行動を起こします。
何メートルもある長い体が短くなることで、エネルギーの消費を押さえ、長く生きるための行動であると考えられています。考えただけで痛いですね。
尾を切ると、痛みで弱ってしまうのでは?と思ったそこのあなた。安心してください。リュウグウノツカイの大事な臓器は、体の中央より前に集まっているため、尾を切っても、生きていくのに支障は少ないそうです。
その他にも、生き物に襲われた、漁の網に引っかかってしまった等危険を感じた時も、尾を切って逃げます。
この行動はトカゲの自切に似ていますが、トカゲと違う点は、トカゲの尻尾はまた生えてきますが、リュウグウノツカイの尾は一生生えてくることはありません。一生に一度の必殺技ですね。
リュウグウノツカイの都市伝説
リュウグウノツカイが浅瀬で発見されると災害が起きる
前述したとおり、リュウグウノツカイは水深200~1,000mで生活しているため、浅瀬に姿を現すことは非常に珍しいです。
その珍しさあってか、リュウグウノツカイが海面付近に現れると、災害が起こるという都市伝説がささやかれています。
現在の科学ではその因果関係は解明されていませんが、東日本大震災が起こる少し前には、リュウグウノツカイが浅瀬に現れていたため、信ぴょう性が増しているといった状況です。
リュウグウノツカイを食べると不老不死になる
不老不死。古くから人類はこの言葉に魅了され、様々な方法を試しています。その方法の一つが、リュウグウノツカイを食べると不老不死になるという都市伝説です。
ちなみに、この世にはリュウグウノツカイを食べたという人がいるそうです。その人の話によると、水分が多く薄味のため、美味しくなかったとのことです。その人は不老不死になるのでしょうか?
まとめ:生きて泳いでいるいる姿を、一度は見てみたい
いかがでしたか。深海の生き物は未だ分かっていることが少ないため、ロマンを感じますよね。あなたも、時間ができたら近くの海を眺めてみてはいかがですか?リュウグウノツカイが泳いでいる姿を見ることができるかもしれませんよ。それでは。
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